会計・確定申告更新 2026.10.27読了 7分

経費にできるもの一覧|Web・IT系フリーランスの早見表と判断の考え方

パソコンやサブスク、通信費、家賃など、Web・IT系フリーランスが経費にできるものを早見表で整理しました。高額な機材の処理、家事按分の考え方、判断に迷いやすい支出の目安も解説します。

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パソコンやソフトのサブスク、自宅のネット回線、技術書……。Web・IT系の仕事をしていると、仕事とプライベートの境目があいまいな支出が多く、「これは経費にしていいのか」と迷う場面がよくあります。

経費にできるかどうかは、品目の名前ではなく「事業のために使ったか」で決まります。考え方を一度押さえておけば、新しい支出が出てきても自分で判断しやすくなります。

この記事では、Web・IT系フリーランスが経費にしやすいものの早見表、高額な機材の扱い、家事按分の考え方、判断に迷いやすい支出、記録の残し方を整理します。

経費にできるかどうかの基本ルール

経費(必要経費)とは、事業の収入を得るために必要な支出のことです。売上から経費を差し引いた金額が所得になり、所得をもとに所得税や住民税が計算されます。判断の基本は次の3つです。

  • 事業のために使ったか:仕事と関係があり、収入につながる支出であること
  • 説明できるか:何のために使ったかを、領収書やメモで後から説明できること
  • 私用分を除いているか:仕事とプライベートの両方で使うものは、仕事で使った分だけを経費にすること

帳簿では、経費を「勘定科目」と呼ばれる分類に分けて記録します。勘定科目は毎年同じ考え方で使い分けていれば、多少の違いは問題になりにくいとされています。

Web・IT系フリーランスの経費早見表

よくある支出を、勘定科目の例とあわせてまとめました。勘定科目は一例です。

支出 具体例 勘定科目の例 注意点
パソコン・周辺機器 ノートPC、モニター、キーボード、外付けストレージ 消耗品費/工具器具備品 金額によって処理が変わる(次の章)
ソフト・サブスク デザインツール、開発ツール、クラウドストレージ、生成AIの有料プラン 通信費/支払手数料など 私用と兼ねる場合は按分する
サーバー・ドメイン レンタルサーバー、独自ドメイン、SSL証明書 通信費など ポートフォリオや検証用も対象になり得る
通信費 スマホ代、自宅のネット回線 通信費 仕事で使った割合で按分する
家賃・光熱費 自宅の一部を仕事場にしている場合 地代家賃/水道光熱費 仕事で使う割合で按分する
書籍・学習 技術書、オンライン講座、勉強会の参加費 新聞図書費/研修費 業務に関係する内容に限る
交通費 打ち合わせや取材への電車・バス代 旅費交通費 行き先と目的を記録する
作業場所 コワーキングスペースの利用料 地代家賃/支払手数料など 契約内容が分かる書類を残す
打ち合わせ・接待 取引先との打ち合わせの飲食代 会議費/接待交際費 相手と目的を記録する
外注 デザインやコーディングの再委託 外注費 請求書や契約内容を保存する
手数料 振込手数料、決済サービスの手数料 支払手数料 明細から漏れやすいので注意
広告・宣伝 名刺、広告出稿、ポートフォリオ用の素材 広告宣伝費 事業の宣伝目的であること
専門家への報酬 税理士への相談料・顧問料 支払報酬 源泉徴収が関係する場合がある

パソコンなど高額なものは金額で処理が変わる

パソコンのように長く使うものは、買った年に全額を経費にできるとは限りません。購入金額によって、主に次のように扱いが分かれます。

購入金額(1つあたり) 主な処理
10万円未満 買った年に全額を経費にできる(消耗品費など)
10万円以上20万円未満 「一括償却資産」として、3年間で均等に経費にする方法を選べる
青色申告者の特例の対象額未満 「少額減価償却資産の特例」で、買った年に全額を経費にできる(年間の合計額に上限あり)
上記を超える場合 「減価償却」で、耐用年数に応じて数年に分けて経費にする(パソコンの耐用年数は4年)

減価償却とは、長く使う資産の購入費用を、使う期間に分けて少しずつ経費にする方法です。少額減価償却資産の特例は、これまで30万円未満の資産が対象とされてきましたが、対象額や期限は税制改正で見直されることがあります。適用を考える場合は、2026年10月時点の情報ではなく最新の内容を国税庁の公式情報で確認してください。

家事按分の考え方

家事按分(かじあんぶん)とは、仕事とプライベートの両方で使っている支出を、仕事で使った割合に応じて分けることです。自宅で仕事をすることが多いWeb・IT系フリーランスには欠かせない考え方です。

割合の決め方の目安は次のとおりです。

  • 家賃:仕事に使っている部屋の面積の割合(例:家賃10万円、仕事部屋が全体の20%なら2万円)
  • 電気代:仕事で使う時間や機器の割合
  • ネット回線・スマホ代:仕事で使う時間や日数の割合
  • パソコン:仕事とプライベートで使う時間の割合

大切なのは、割合の根拠を説明できるようにしておくことです。間取り図に仕事スペースを書き込む、1週間の使用時間を記録するなど、簡単なメモで十分です。持ち家の場合や家族と共有している場合は計算が複雑になるため、税理士に相談すると安心です。

判断に迷いやすい支出と考え方

次の支出は、経費にできるかどうかで迷いやすいものです。考え方の目安として参考にしてください。

  • カフェでの作業代:作業場所として利用したことを説明できれば経費にできる場合がありますが、私的な飲食との区別が必要です。日付と作業内容をメモしておきましょう。
  • イヤホン・カメラなどのガジェット:会議や撮影など業務で使う場合は、使用割合に応じて経費にできます。
  • スーツや普段着:私生活でも使えるため、原則として経費にするのは難しいと考えられます。
  • 健康診断・ジム代:個人の健康のための支出なので、経費にはなりません。
  • 国民健康保険料・国民年金保険料:経費ではなく、確定申告で「社会保険料控除」として差し引きます。
  • 所得税・住民税:経費にはなりません。一方、個人事業税は経費にできます。
  • 家族への支払い:生計を一にする家族への給与は原則として経費になりません。青色申告で事前に届出をした場合の「青色事業専従者給与」などの例外があります。
  • 資格の取得費用:業務に直接関係する資格かどうかで判断が分かれます。

経費の記録と保存のコツ

経費は、記録と証拠がそろって初めて安心して計上できます。次のポイントを習慣にしましょう。

  • 領収書やレシートは、紙のものもなくさず保存する
  • サブスクやネット通販の領収書など、データで受け取ったものはデータのまま保存する(電子帳簿保存法のルール。要件は見直しが続いているため国税庁で確認)
  • 打ち合わせの飲食代や交通費には、相手・目的・行き先をメモする
  • 家事按分の割合と、その根拠を年ごとに記録する
  • 事業用の口座とカードを分け、支払いを1か所にまとめる

特に効果が大きいのが、事業用の口座とカードを分けることです。私用の支出と混ざらないため、どれが経費かを後から探す手間が減り、会計ソフトとの明細連携も使いやすくなります。事業用の口座を作るなら、会計ソフトとの連携に対応したネット銀行が候補になります。条件は公式サイトで確認してください。

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まとめ

経費にできるかどうかは「事業のために使ったか」「説明できるか」「私用分を除いているか」で判断します。パソコンなど高額なものは金額によって処理が変わり、自宅の家賃や通信費は家事按分で仕事の分だけを経費にします。

次にやることは、次の3つです。

  1. 今年の支出を早見表と照らし合わせ、計上漏れがないか確認する
  2. 家賃や通信費の按分割合を決め、根拠をメモに残す
  3. 事業用の口座とカードを用意し、支払いをまとめる

判断に迷う支出が多い場合や、金額の大きな支出がある場合は、税務署や税理士に確認してください。

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。