会計・確定申告更新 2026.10.27読了 7分

確定申告の期限に遅れたら|期限後申告の手順と無申告加算税・延滞税の概要

確定申告の期限を過ぎても、期限後申告で申告できます。無申告加算税と延滞税のしくみ、青色申告特別控除への影響、申告の手順と来年に向けた準備を、確実にいえる範囲で整理します。

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「確定申告の期限を過ぎてしまった」「去年の分を申告していなかったことに気づいた」というとき、どうすればいいのか不安になる人は多いと思います。罰則があると聞いて、手をつけるのをためらってしまうこともあるでしょう。

結論からいうと、期限を過ぎても申告はできます。そして、できるだけ早く自分から申告するほど、追加でかかる税金や不利益は小さくなるのが基本的な考え方です。

この記事では、期限後申告の基本、遅れたときにかかる「無申告加算税」と「延滞税」の概要、青色申告への影響、期限後申告の手順を整理します。2026年分の申告(2027年に行うもの)を前提にしています。

期限後申告とは

期限後申告とは、確定申告の期限を過ぎてから提出する申告のことです。所得税の確定申告の期限は、例年3月15日ごろです(2027年の具体的な日付は国税庁で確認してください)。この期限を過ぎても、税務署から決定(税額を決められる処分)を受ける前であれば、自分から申告書を提出できます。

期限後申告になるかどうかで扱いが変わるのは、主に「納める税金がある申告」です。税金が戻ってくる還付申告は、期限後でも一定の期間(原則として5年間)提出でき、加算税などはかかりません。

ケース 期限を過ぎた場合の扱い
納める税金がある 期限後申告となり、無申告加算税と延滞税がかかる場合がある
税金が戻ってくる(還付申告) 原則として5年間は提出でき、加算税はかからない
赤字で納める税金がない 加算税はかからないが、損失の繰り越しなどで不利になる場合があるため早めに申告する

無申告加算税の概要

無申告加算税は、期限までに申告しなかったことに対してかかる税金です。納める税額に一定の割合をかけて計算します。

税務調査の前に自分から申告した場合

税務署から調査の通知を受ける前に、自分から期限後申告をした場合は、無申告加算税の割合が低くなります。原則として納める税額の5%とされています。

税務調査をきっかけに申告した場合

調査を受けてから申告した場合や、税務署から決定を受けた場合は、割合が高くなります。原則として、納める税額のうち50万円までの部分は15%、50万円を超え300万円までの部分は20%、300万円を超える部分は30%です。さらに、過去にも無申告があった場合などには、割合が加重されることがあります。

無申告加算税がかからない場合

期限から1か月以内に自主的に申告し、一定の条件(期限内に申告する意思があったと認められること。例えば、納める税金を期限内に全額納付していること、過去5年以内に無申告加算税などを課されていないことなど)を満たす場合は、無申告加算税がかからない取り扱いがあります。条件に当てはまるかどうかは、税務署に確認してください。

なお、所得や経費を意図的に隠したり偽ったりした場合には、より重い「重加算税」がかかることがあります。

延滞税の概要

延滞税は、税金を納付期限までに納めなかったことに対してかかる、利息のような性質の税金です。期限後申告の場合、本来の納付期限(例年3月15日ごろ)の翌日から、実際に納付した日までの日数に応じてかかります。

  • 納期限(期限後申告の場合は、原則として申告書を提出した日)の翌日から2か月を経過する日までは、低めの割合
  • その後は、高い割合

延滞税の割合は、法律で定められた割合と、毎年の金利の水準をもとにした割合のうち低いほうが適用される仕組みで、年ごとに変わります。具体的な割合は国税庁のウェブサイトで確認してください。

延滞税は日数に応じて増えるため、申告と同時に納付するのが基本です。すぐに全額を納めるのが難しい場合は、分割での納付などについて税務署に相談できます。放置するのではなく、早めに相談しましょう。

青色申告など、税金以外の影響

期限後申告では、加算税や延滞税のほかにも、次のような影響があります。

影響 内容
青色申告特別控除 65万円・55万円の控除は期限内に申告することが条件のため、期限後申告では最大10万円になる
青色申告の承認 期限後申告が続くと、青色申告の承認が取り消される場合がある
振替納税 口座からの自動引き落とし(振替納税)は期限内の申告が対象のため、期限後申告の分は自分で納付する
住民税・国民健康保険料 市区町村に所得が伝わるのが遅れ、通知や軽減の判定に影響する場合がある
各種の手続き 融資や賃貸の審査などで、申告書の控えや納税証明書を求められたときに用意できない

特に青色申告の人は、期限を1日過ぎるだけで控除額が大きく変わる可能性があります。65万円控除の条件については、別の記事で詳しく解説しています。

期限後申告の手順

期限を過ぎてしまったと気づいたら、次の順番で進めましょう。

  1. 対象の年の売上・経費・控除の資料を集め、所得を計算する
  2. 確定申告書等作成コーナーや会計ソフトで、対象の年の申告書を作成する(過去の年分の申告書も作成できる)
  3. e-Taxで送信するか、税務署に郵送・持参して提出する
  4. 納める税金があれば、できるだけ早く納付する(納付書は税務署で入手できるほか、ネットでの納付方法もある)
  5. 後日、無申告加算税や延滞税の通知が届いたら、内容を確認して納付する

申告書の書き方は期限内の申告と基本的に同じです。何年分も申告していない場合や、資料がそろわない場合は、ひとりで抱え込まずに税務署や税理士に相談してください。

期限内に出した申告の誤りに気づいた場合

期限内に申告したものの、内容に誤りがあった場合は期限後申告ではなく、税額が増えるなら「修正申告」、税額が減るなら「更正の請求」という別の手続きになります。こちらも、気づいたら早めに手続きするのが基本です。

来年は期限に間に合わせるための準備

期限に遅れる原因の多くは、1年分の帳簿づけや書類の整理を申告の直前にまとめて行うことです。次のような準備で、作業を分散させておきましょう。

  • 売上と経費を月に1回は記録する
  • 銀行口座やクレジットカードを事業用に分け、明細を会計ソフトに取り込む
  • 控除証明書は届いたらすぐに1か所にまとめる
  • e-Taxの準備(マイナンバーカードの暗証番号の確認など)を年内に済ませる
  • 2月の前半を申告作業の日としてカレンダーに入れておく

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まとめ

確定申告の期限を過ぎても、期限後申告として申告書を提出できます。納める税金がある場合は無申告加算税と延滞税がかかることがありますが、税務調査の前に自分から、できるだけ早く申告・納付するほど負担は小さくなります。青色申告の人は、期限後申告で特別控除が最大10万円になる点にも注意が必要です。

次にやることは、申告していない年分を確認し、作成コーナーや会計ソフトで申告書の作成に取りかかることです。納付が難しい場合や、何年分もたまっている場合は、早めに税務署や税理士に相談しましょう。

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。