会計・確定申告更新 2026.10.27読了 7分

確定申告書の書き方|第一表・第二表に何を書くかを個人事業主向けに解説

確定申告書は「収入→所得→控除→税額」の順に計算する書類です。第一表・第二表の構成と主な欄に書く内容、記入前にそろえる書類、作成コーナーや会計ソフトを使うときの確認点を整理します。

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確定申告書を初めて見ると、欄の多さに戸惑う人が多いと思います。「収入金額等」「所得金額等」「所得から差し引かれる金額」と似た言葉が並び、どこに何を書けばいいのか、全体の流れがつかみにくいのが難しさの原因です。

実際には、確定申告書は「収入→所得→控除→税額」という順番で計算していく書類です。この流れさえ押さえれば、作成コーナーや会計ソフトで作る場合でも、画面の意味が理解しやすくなります。

この記事では、個人事業主や副業をしている人向けに、確定申告書の第一表と第二表の構成と、それぞれで何を書くのかを整理します。2026年分の申告(2027年に行うもの)を前提にしています。

確定申告書の全体像

所得税の確定申告書は、現在は「第一表」「第二表」を基本とし、必要な人だけが「第三表(分離課税用)」「第四表(損失申告用)」を使う構成です。以前は申告書AとBに分かれていましたが、現在は一本化されています。

書類 主な内容 使う人
第一表 収入・所得・控除・税額の計算と結果 全員
第二表 所得の内訳、控除の内訳、家族、住民税に関する事項など 全員
第三表 株式の譲渡や土地建物の譲渡など、分離課税の所得 該当する人
第四表 赤字(損失)の金額や繰り越し 該当する人
青色申告決算書/収支内訳書 事業の売上・経費の明細 事業所得・不動産所得などがある人

個人事業主の場合、まず青色申告決算書(青色申告の人)または収支内訳書(白色申告の人)で事業の所得を計算し、その結果を確定申告書に書き写す流れになります。

第一表の書き方:上から順に計算する

第一表は、上から下へ計算が進むように作られています。主な欄と書く内容は次のとおりです。

1. 住所・氏名などの基本情報

住所、氏名、個人番号(マイナンバー)、職業、屋号などを記入します。提出先の税務署名と、提出日も書きます。青色申告の人は、申告の種類の欄で「青色」を選びます。

2. 収入金額等

所得の種類ごとに、経費などを差し引く前の収入(売上)の金額を書きます。主な欄は次のとおりです。

  • 事業(営業等):個人事業の売上。決算書や収支内訳書の売上金額を書く
  • 給与:会社員の給与。源泉徴収票の「支払金額」を書く
  • 雑(業務・その他):事業とはいえない規模の副業の収入など

3. 所得金額等

収入から経費などを差し引いた「所得」を書きます。事業所得は、決算書や収支内訳書で計算した所得金額(青色申告特別控除を差し引いた後の金額)を転記します。給与所得は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を書きます。最後に合計欄で、所得の合計を出します。

4. 所得から差し引かれる金額(所得控除)

社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除など、受けられる控除の金額を書きます。各控除の内訳は第二表に書き、その合計を第一表に書く欄もあります。

5. 税金の計算

所得の合計から控除の合計を差し引いた「課税される所得金額」に税率を当てはめて税額を計算します。ここから税額控除(住宅ローン控除など)を差し引き、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加えます。さらに、すでに源泉徴収された税額や予定納税額を差し引いて、最終的に「納める税金」か「還付される税金」かが決まります。

6. その他・還付金の受取場所

青色申告特別控除額や、事業専従者(家族従業員)の給与の合計額などを書く欄があります。還付がある場合は、受け取る口座の情報を記入します。

第二表の書き方:内訳と補足情報

第二表は、第一表に書いた金額の根拠となる内訳や、計算に必要な情報を書く書類です。主な欄は次のとおりです。

欄 書く内容
所得の内訳(源泉徴収税額) 給与や報酬の支払者ごとに、収入金額と源泉徴収された税額
雑所得・配当所得・一時所得に関する事項 該当する所得がある場合の種目や金額
社会保険料控除など 国民年金・国民健康保険などの保険料の種類と支払額、生命保険料や地震保険料の内訳
配偶者や親族に関する事項 控除の対象となる配偶者・扶養親族の氏名、個人番号、続柄など
事業専従者に関する事項 家族に給与を支払っている場合の氏名・続柄・給与額など
住民税・事業税に関する事項 給与以外の所得にかかる住民税の徴収方法、事業税の計算に関する情報など

フリーランスの場合、取引先が報酬から所得税を源泉徴収していることがあります。この場合は「所得の内訳」の欄に、取引先ごとの報酬額と源泉徴収税額を書き、その合計を第一表の源泉徴収税額の欄に反映させます。取引先から支払調書が届かないこともあるため、請求書や入金の記録から自分で集計できるようにしておきましょう。

住民税に関する事項の欄では、給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税を「特別徴収」にするか「自分で納付」にするかを選べます。住民税の納め方については、別の記事で詳しく解説します。

記入前に用意する書類と数字

申告書を書き始める前に、次の数字をそろえておくと作業がスムーズです。

  1. 青色申告決算書または収支内訳書(事業の売上・経費・所得)
  2. 給与がある人は源泉徴収票
  3. 報酬から源泉徴収された税額の一覧(取引先ごと)
  4. 国民年金・国民健康保険など、1年間に支払った社会保険料の額
  5. 小規模企業共済やiDeCoの掛金、生命保険料などの控除証明書
  6. 医療費控除やふるさと納税の書類(該当する人)
  7. 予定納税をした人は、その納付額

必要書類の詳しいチェックリストは、別の記事で詳しく解説しています。

手書きより作成コーナーや会計ソフトが安心

申告書は手書きでも作れますが、計算ミスや転記ミスが起きやすくなります。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額を入力すれば、申告書の各欄が自動で計算されます。

事業所得がある人は、日々の取引を会計ソフトで記録しておくと、決算書から申告書までを一連の流れで作成できます。会計ソフトを選ぶときは、簿記の知識、連携したい口座、サポートの受け方を基準に比べるのがおすすめです。料金・機能は公式サイトで確認してください。

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作成コーナーや会計ソフトを使う場合でも、申告書の各欄の意味を知っておくと、入力した結果が正しいかを自分で確認できます。完成した申告書の第一表を見て、所得の合計や源泉徴収税額が想定どおりかを確かめましょう。

まとめ

確定申告書は、第一表で「収入→所得→控除→税額」を計算し、第二表でその内訳や家族、住民税に関する情報を書く構成です。個人事業主は、まず青色申告決算書か収支内訳書で事業の所得を出し、その結果を申告書に転記します。

次にやることは、国税庁のウェブサイトで2026年分の申告書の様式を一度見て、第一表の流れを確認することです。そのうえで、上のリストの書類と数字をそろえ、作成コーナーか会計ソフトで申告書の作成を始めましょう。

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。