会計・確定申告更新 2026.10.27読了 8分

副業の住民税の申告方法|普通徴収と特別徴収の違いと選び方

副業の所得があると、確定申告をしない場合でも住民税の申告が必要になることがあります。住民税のしくみ、申告の手順、普通徴収と特別徴収の違い、納付通知で確認することを整理します。

PRこの記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。広告掲載ポリシー

副業で少し収入が出てきたとき、所得税の確定申告については調べたものの、「住民税の申告」まではよくわからないという人は多いのではないでしょうか。住民税は会社の給与から天引きされているため、自分で手続きをするイメージが持ちにくい税金です。

ところが、副業の所得があると、住民税について自分で申告が必要になる場合があります。また、副業分の住民税を給与天引きにするか、自分で納めるかを選べる場面もあります。

この記事では、住民税のしくみの基本、住民税の申告が必要になるケースと手順、「普通徴収」と「特別徴収」の違い、納付通知が届いたあとに確認することを整理します。2026年分の所得(2027年に申告するもの)を前提にしています。

住民税のしくみの基本

住民税は、お住まいの市区町村と都道府県に納める税金で、通常はまとめて市区町村が課税・徴収します。所得税と違う点として、次の3つを押さえておくと全体像がつかみやすくなります。

  • 前年の所得に対してかかる:1月〜12月の所得をもとに税額が決まり、翌年の6月ごろから納めます。2026年分の所得にかかる住民税は、2027年6月ごろから納付が始まります。
  • 所得に比例する部分と定額の部分がある:所得に応じてかかる「所得割」と、一定の所得以上の人に定額でかかる「均等割」があります。所得割の標準的な税率は10%(市区町村分と都道府県分の合計)です。
  • 計算するのは市区町村:住民税は、本人が税額を計算して申告・納付する所得税とは違い、市区町村が税額を計算して通知する方式です。そのため、市区町村が所得を把握できるように情報を届ける必要があります。

会社員の場合、会社が市区町村に給与の金額を報告しているため、給与分の住民税は何もしなくても計算されます。一方、副業の所得は会社からの報告に含まれないため、確定申告か住民税の申告で、自分から市区町村に伝える必要があります。

住民税の申告が必要になるケース

副業をしている会社員の場合、住民税の手続きは「所得税の確定申告をするかどうか」で分かれます。

状況 住民税の手続き
所得税の確定申告をする 確定申告の内容が市区町村に連携されるため、原則として住民税の申告は不要
副業の所得が20万円以下などの理由で、確定申告をしない 市区町村に住民税の申告をする
副業の所得がない(給与だけ) 会社の報告で計算されるため、原則として手続き不要

いわゆる「20万円ルール」は所得税の確定申告に関する取り扱いで、住民税には同じルールがありません。そのため、副業の所得が少なくて確定申告をしない人ほど、住民税の申告を忘れやすい点に注意が必要です。20万円ルールの条件そのものについては、別の記事で詳しく解説しています。

住民税の申告の手順

所得税の確定申告をしない場合の、住民税の申告のおおまかな流れは次のとおりです。

  1. 副業の1年分(1月〜12月)の収入と必要経費を集計し、所得を計算する
  2. お住まいの市区町村のウェブサイトで、住民税の申告書の様式と提出方法を確認する
  3. 申告書を入手する(ウェブサイトからダウンロード、窓口で受け取るなど。自治体によってはオンライン申請に対応している場合もある)
  4. 本業の給与の源泉徴収票を見ながら、給与と副業の所得、各種控除を記入する
  5. 必要に応じて、副業の収支がわかる資料(収支の明細など)を添付する
  6. 期限までに、郵送・窓口・オンラインなど自治体が案内する方法で提出する

住民税の申告の期限は、所得税の確定申告と同じく例年3月15日ごろとされている自治体が一般的です。2027年の具体的な期限や受付方法は、市区町村の案内で確認してください。

申告書の様式には、副業分の住民税の納め方を選ぶ欄が設けられていることがあります。次の章で説明する「普通徴収」と「特別徴収」の違いを理解したうえで選びましょう。

普通徴収と特別徴収の違い

住民税の納め方には、「特別徴収」と「普通徴収」の2つがあります。

項目 特別徴収 普通徴収
納め方 勤務先が毎月の給与から天引きして納める 市区町村から届く納付書などで自分で納める
納付の回数 6月から翌年5月までの12回 年4回に分けることが多い(時期は自治体による)
手間 自分で納付する手間がない 納付の管理が必要。口座振替などを使える自治体もある
主な対象 会社員の給与にかかる住民税 個人事業主、退職した人、副業分を自分で納める人など

副業分の住民税はどちらになるか

確定申告書の第二表には「住民税・事業税に関する事項」の欄があり、給与・公的年金等以外の所得にかかる住民税について「特別徴収」か「自分で納付」かを選ぶ項目があります。住民税の申告書にも、同じような選択欄が設けられていることがあります。

「自分で納付」を選ぶと、副業分の住民税を普通徴収で納める希望を伝えられます。ただし、次の点に注意してください。

  • 選択できるのは、原則として給与・公的年金等以外の所得(事業所得や雑所得など)にかかる住民税です。
  • 副業がアルバイトなどの給与である場合、その分は原則として本業の給与とあわせて特別徴収になります。
  • 希望どおりに扱われるかどうかは、最終的に市区町村の判断や運用によります。

納付が始まる前後に確認すること

住民税の申告をしたら終わりではなく、税額が決まったあとにも確認しておきたいことがあります。

5〜6月ごろ:税額の通知を確認する

特別徴収の場合、勤務先を通じて「特別徴収税額の決定通知書」が渡されるのが一般的です。普通徴収の場合は、市区町村から納税通知書が自宅に届きます。副業分を普通徴収にしたなら、給与天引き分の通知とは別に、自宅に通知が届いているかを確認しましょう。

通知の内容で見るポイント

  • 副業の所得が申告した金額で反映されているか
  • 普通徴収を希望した分が、希望どおりに分かれているか
  • 納付書の期限と金額、各回の納付時期

内容に疑問がある場合は、通知書に記載されている市区町村の担当窓口に問い合わせます。申告内容に誤りが見つかった場合の訂正方法も、市区町村の案内に従ってください。

普通徴収の納め忘れを防ぐ

普通徴収は自分で納めるため、納め忘れに注意が必要です。期限を過ぎると延滞金がかかる場合があります。口座振替やスマホ決済など、自治体が用意している納付方法を確認し、カレンダーに各回の期限を登録しておきましょう。

独立・退職したときの住民税の扱い

副業から独立して会社を辞めた場合は、それまで給与から天引きされていた住民税の納め方が変わります。退職した時期によって、残りの税額を最後の給与からまとめて天引きするか、普通徴収に切り替えて自分で納めるかが決まるのが一般的です。

また、住民税は前年の所得にかかるため、会社員時代の所得をもとにした住民税を、独立した最初の年に納めることになります。独立直後は売上が安定しないことも多いので、前年の所得をもとにした住民税の額を見込んで、資金を取り分けておくと安心です。退職時の手続きの全体像は、別の記事で詳しく解説します。

まとめ

住民税は前年の所得をもとに市区町村が計算する税金で、副業の所得は自分で市区町村に伝える必要があります。所得税の確定申告をする場合は原則としてその内容が連携され、確定申告をしない場合は住民税の申告をします。副業分の住民税は、給与以外の所得であれば「自分で納付(普通徴収)」を希望できる場合がありますが、最終的な扱いは市区町村によります。

次にやることは、次の3つです。

  1. 今年の副業の収入と経費を集計し、確定申告をするか住民税の申告をするかを決める
  2. お住まいの市区町村のウェブサイトで、住民税の申告書の様式と期限を確認する
  3. 副業分の住民税の納め方(特別徴収か普通徴収か)を決め、不安な点は市区町村に問い合わせる

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。