Webで稼ぐ更新 2026.10.27読了 7分

フリーランスの単価の決め方と値上げ交渉|計算方法と伝え方の例文

フリーランスや副業の単価を、必要な収入から逆算して決める方法を計算例つきで解説します。時間単価・案件単価・月額の使い分け、値上げを切り出すタイミングと伝え方の例文もまとめました。

PRこの記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。広告掲載ポリシー

「この金額で引き受けていいのだろうか」「相場が分からず、言われた金額のまま受けてしまう」。単価の決め方は、フリーランスや副業を始めた人の多くが悩むテーマです。安すぎる単価で仕事を詰め込むと、忙しいのに手元にお金が残らない状態になりかねません。

単価は、なんとなくの感覚ではなく、「自分がいくら必要か」と「どれだけの時間を仕事に使えるか」から逆算すると、根拠を持って決められます。根拠があれば、値上げを相談するときにも落ち着いて説明できます。

この記事では、必要な収入から単価を計算する方法、料金の形の使い分け、相場との照らし合わせ方、値上げ交渉のタイミングと伝え方を解説します。見積書の書き方そのものは、別の記事で詳しく解説します。

単価は「必要な金額」から逆算する

まず、1年間で売上としていくら必要かを考えます。会社員と違い、フリーランスは売上から経費や税金、社会保険料を自分で支払う必要があります。売上に含めて考えたいのは次の項目です。

  • 生活費:家賃、食費、通信費など、暮らしに必要なお金
  • 事業の経費:PC、ソフト、サーバー、交通費など、仕事に必要なお金
  • 税金と社会保険料:所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料など
  • 将来への備え:老後の資金、機材の買い替え、仕事が途切れたときの予備費

税金や社会保険料は、所得や住んでいる自治体によって大きく変わります。正確な金額は人によって違うため、最初は前年の金額や自治体の案内を参考に、多めに見積もっておくのが無難です。

計算例:年間の目標から日単価・時間単価を出す

次の手順で、目標とする単価を計算できます。ここでは仮に、年間で600万円の売上が必要な場合で考えます(数字はすべて仮定の目安です)。

  1. 年間の必要売上を決める:600万円
  2. 働く日数を決める:月20日×12か月=240日
  3. 実際に作業して請求できる割合を見込む:営業、事務、学習などの時間を除き、70%と仮定する。240日×70%=168日
  4. 日単価を出す:600万円÷168日=約3.6万円
  5. 時間単価を出す:1日8時間なら、約3.6万円÷8時間=約4,500円

ポイントは3つ目の「請求できる割合」です。フリーランスの仕事時間には、提案書の作成、請求や経理、問い合わせへの返信など、報酬が直接発生しない作業が必ず含まれます。これを見込まずに計算すると、単価が低くなりすぎてしまいます。

料金の形を使い分ける

単価には、時間で決める形、案件ごとに決める形、月額で決める形があります。それぞれの特徴を知って、仕事の内容に合わせて使い分けましょう。

料金の形 向いている仕事 メリット 注意点
時間単価 作業量が読みにくい仕事、常駐やチームでの開発 作業が増えても報酬が連動する 作業が速くなるほど報酬が減ってしまう
案件単価(固定) 記事、デザイン、サイト制作など成果物がある仕事 効率を上げるほど時間あたりの収入が増える 範囲があいまいだと修正や追加で赤字になりやすい
月額(顧問・保守) サイトの保守、定期的な相談、運用代行 毎月の収入の見通しが立つ 対応範囲と上限を決めておかないと負担が増える

案件単価で受ける場合も、内部では「この案件は何時間かかりそうか」を見積もり、時間単価に直して確認する習慣をつけると、安請け合いを防げます。

あわせて、範囲外の作業をどう扱うかも決めておきましょう。例えば「修正は2回まで含み、3回目以降は1回ごとに追加料金」「急ぎの納品は特急料金」のように、追加の条件をあらかじめ示しておくと、作業が膨らんだときに説明しやすくなります。条件は口頭ではなく、メールや見積もりの備考など、文章で残しておくのが基本です。

相場と自分の価値を照らし合わせる

計算で出した単価が、市場でどの程度の水準なのかも確認しておきましょう。次のような方法で、おおよその相場をつかめます。

  • クラウドソーシングやエージェントで公開されている、同じ職種・同じ難易度の案件の報酬を複数見比べる
  • 同業者が公開している料金表を参考にする
  • 既存の取引先に、他の依頼先と比べてどう感じているかを聞いてみる

相場はあくまで参考です。専門分野の知識がある、提案や改善までできる、連絡や納期が確実といった強みがあれば、相場より高い単価でも選ばれることがあります。単価を上げるには、作業そのものだけでなく「依頼して楽になった」と感じてもらえる価値を増やすことが近道です。

値下げを求められたときの考え方

新しい取引先から「もう少し安くなりませんか」と相談されることもあります。その場で応じる前に、次の点を確認しましょう。

  • 計算した下限の単価を下回っていないか
  • 値下げの代わりに、作業の範囲や修正の回数、納期を調整できないか
  • 継続の依頼や、まとめての発注など、条件の変化があるか
  • 一度下げた単価を、後から戻せる見込みがあるか

単価を下げるなら、「本数が月〇本以上の場合に限り」「構成案の作成を除く場合は」のように、条件とセットにするのが基本です。理由のない値下げを一度受け入れると、それが基準になってしまい、後から上げにくくなります。下限を下回る依頼は、丁寧にお断りするのも一つの判断です。

値上げを切り出すタイミングと伝え方

単価を上げたいと思っても、既存の取引先に切り出すのは勇気がいります。次のようなタイミングは、比較的相談しやすい場面です。

  • 契約の更新や、年度・期の切り替わりの前
  • 依頼される業務の範囲が、当初より広がったとき
  • スキルや実績が増え、提供できる内容が変わったとき
  • 経費の増加などで、今の単価では続けるのが難しくなったとき

伝えるときは、適用の時期まで余裕をもって、例えば1〜2か月前を目安に連絡します。突然の通知にならないようにすることが、関係を保つうえで大切です。

値上げを伝える文面の例

次のような流れでまとめると、角が立ちにくくなります。

  1. 日頃の依頼へのお礼を伝える
  2. 単価を見直したい旨と、新しい単価、適用したい時期を伝える
  3. 理由を簡潔に説明する(業務範囲の拡大、提供内容の変化など)
  4. 今後も品質を保って対応したい意思を伝え、相談の余地があることを示す

例えば、「いつもご依頼いただきありがとうございます。誠に恐縮ながら、〇月のご依頼分より、単価を〇〇円に改定させていただきたくご相談いたします。ここ数か月で構成案の作成や画像の選定もお任せいただくようになり、作業内容が当初より広がっていることが理由です。引き続き品質を保ってお手伝いしたいと考えておりますので、ご検討いただけますと幸いです」といった形です。

まとめ

単価は、生活費や経費、税金・社会保険料を含めた「必要な売上」と、実際に請求できる時間から逆算すると、根拠を持って決められます。料金の形を仕事に合わせて使い分け、相場も参考にしながら、自分が提供できる価値に見合った単価を目指しましょう。

まずは上の計算手順に自分の数字を当てはめて、下限となる時間単価を出してみてください。そのうえで、今の取引ごとの実際の時間単価を計算し、下回っている取引があれば、次の更新時期に向けて値上げの相談を準備しましょう。

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。