パスワード管理と二段階認証|フリーランスのアカウントを守る設定と手順
仕事のアカウントを守るために、パスワードの考え方、パスワード管理ツールの選び方、二段階認証の種類とパスキー、復旧コードの保管、乗っ取りに気づいたときの対応を整理しました。今日からできる見直しの手順も紹介します。
PRこの記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。広告掲載ポリシー
フリーランスや副業をしていると、メール、クラウドストレージ、会計ソフト、ネット銀行、SNS、取引先のツールなど、仕事で使うアカウントがどんどん増えていきます。気づけば同じパスワードを使い回していたり、どこに何を登録したか思い出せなくなっていたりしないでしょうか。
会社員であれば情報システムの担当者が管理してくれる部分も、フリーランスは自分で守る必要があります。メールや銀行のアカウントが乗っ取られると、取引先への迷惑や金銭的な被害につながるおそれがあります。
この記事では、特定のサービスをすすめるのではなく、パスワードの考え方、管理ツールを選ぶ軸、二段階認証の種類と設定の優先順位、万一のときの対応を整理します。
まず知っておきたいパスワードの基本
パスワードについては、次の3つを押さえておきましょう。
- 使い回さない:あるサービスから漏れたIDとパスワードが、別のサービスで試される被害が知られています。サービスごとに異なるパスワードにすることが最も大切です。
- 長くする:短いパスワードや、単語・誕生日などの推測しやすいものは避け、十分な長さのランダムな文字列にします。
- 人に教えない・入力する場所を確かめる:本物そっくりの偽のログイン画面にパスワードを入力させる「フィッシング」に注意し、メールやメッセージのリンクから安易にログインしないようにします。
とはいえ、すべてのサービスで長くランダムなパスワードを覚えるのは現実的ではありません。そこで役に立つのがパスワード管理ツールです。
パスワード管理ツールを選ぶ軸
パスワード管理ツール(パスワードマネージャー)は、各サービスのパスワードを暗号化して保存し、ログイン時に自動で入力してくれるツールです。覚えておくのは管理ツールを開くためのパスワード(マスターパスワード)だけで済みます。ブラウザやOSに標準で備わっている機能と、専用のサービスがあります。
| 判断の軸 | 確認するポイント |
|---|---|
| 使う端末 | Mac・Windows・スマホなど、使っている端末すべてで使えるか |
| 使うブラウザ | 複数のブラウザを使う場合、どれでも自動入力できるか |
| パスワードの生成 | 長くランダムなパスワードを自動で作れるか |
| 漏えいの確認 | 使い回しや、漏えいが知られているパスワードを知らせてくれるか |
| 二段階認証への対応 | 管理ツール自体のログインに二段階認証を設定できるか |
| 共有 | アシスタントや外注先と、特定のパスワードだけを安全に共有できるか |
| 書き出し | ほかのツールに乗り換えるとき、データを移せるか |
手軽に始めたい人はブラウザやOSの標準機能、複数のブラウザや端末をまたいで使う人や共有の機能が必要な人は専用のサービス、という考え方が目安です。料金や機能は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。
二段階認証の種類とパスキー
二段階認証とは、パスワードに加えて、もう1つ別の方法で本人であることを確かめる仕組みです。パスワードが漏れても、それだけではログインされにくくなります。主な方法は次のとおりです。
- SMS(ショートメッセージ):携帯電話の番号に届く確認コードを入力する方法。手軽ですが、電話番号の変更や機種変更のときに注意が必要です。
- 認証アプリ:スマホのアプリに表示される、一定時間で変わる確認コードを入力する方法。機種変更のときにアプリのデータを移す手順を確認しておく必要があります。
- セキュリティキー:USBなどで接続する専用の機器を使う方法。対応しているサービスは限られます。
- パスキー:パスワードの代わりに、スマホやPCの生体認証(指紋や顔)や画面ロックを使ってログインする仕組み。偽のサイトでは使えない仕組みのため、フィッシングに強いとされています。対応するサービスが増えています。
どの方法を使えるかはサービスによって異なります。選べる場合は、SMSよりも認証アプリやパスキーを優先するのが一般的な考え方です。ただし、二段階認証を設定していても、偽のサイトに確認コードまで入力してしまうと突破されることがあります。ログインするときは、ブックマークや公式アプリから開く習慣をつけておきましょう。
復旧コードを必ず保管する
二段階認証を設定すると、スマホをなくしたときなどのために「復旧コード(バックアップコード)」が発行されることがあります。これをなくすと、自分のアカウントにログインできなくなるおそれがあります。復旧コードは、パスワード管理ツールとは別の場所に、紙に印刷して保管するなど、スマホやPCが使えなくなっても取り出せる方法で保管しておきましょう。
設定する順番:重要なアカウントから
すべてのアカウントを一度に見直すのは大変です。次の順番で、影響の大きいものから進めましょう。
- メールアカウント:ほかのサービスのパスワード再設定に使われるため、最優先で守る
- パスワード管理ツール:すべてのパスワードの鍵になる
- ネット銀行・決済サービス・事業用カード:金銭的な被害に直結する
- 会計ソフト・請求書サービス:取引先や売上の情報が入っている
- クラウドストレージ:取引先から預かったデータが入っている
- 仕事用のSNS・ドメインやサーバーの管理画面:乗っ取られると信用やサイトに影響する
- そのほかのサービス:使っていないアカウントは、退会することも検討する
乗っ取りの兆候と、気づいたときの対応
次のようなことに気づいたら、アカウントが不正に使われている可能性があります。
- 身に覚えのないログインの通知や、パスワード変更の通知が届いた
- 送った覚えのないメールやメッセージが、取引先に送られている
- メールの転送設定や自動返信が、知らないうちに変わっている
- ネット銀行やカードに、覚えのない利用がある
気づいたときは、落ち着いて次の対応をとりましょう。
- 別の安全な端末から、該当するアカウントのパスワードを変更する
- ログイン中の端末の一覧を確認し、心当たりのない端末をログアウトさせる
- 二段階認証の設定や、メールの転送設定が変えられていないか確認する
- 同じパスワードを使っていたほかのサービスも、すべて変更する
- 金銭的な被害がある場合は、銀行やカード会社にすぐ連絡する
- 取引先に影響がある場合は、状況を説明して注意を呼びかける
不正アクセスの被害や対応に迷う場合は、警察の相談窓口や、情報処理推進機構(IPA)などの公的な相談窓口に相談する方法もあります。
まとめ
仕事のアカウントを守る基本は、パスワードを使い回さず、管理ツールで長くランダムなパスワードを管理し、重要なアカウントに二段階認証を設定することです。二段階認証は認証アプリやパスキーを優先し、復旧コードはスマホやPCとは別の場所に保管しておきましょう。
次にやることは、仕事用のメールアカウントの二段階認証の設定を確認することです。そのうえで、設定する順番のリストに沿って、ネット銀行や会計ソフトなど重要なアカウントから見直していきましょう。
※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。