会社設立の流れ|定款作成から登記・設立後の届出までの手順とチェックリスト
会社設立は、基本事項の決定、定款の作成と認証、資本金の払い込み、登記申請、設立後の届出という順番で進みます。個人事業から法人化する人向けに、各ステップでやることと、設立後に忘れやすい届出をまとめます。
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法人化を決めたものの、「会社ってどうやって作るの?」「どこに何を出せばいいの?」と、手続きの全体像がつかめずに止まっていませんか。会社の設立には、公証役場、銀行、法務局、税務署、年金事務所など、いくつもの窓口が関わるため、順番を間違えると二度手間になりがちです。
とはいえ、流れそのものは決まっています。やることを順番に並べ、それぞれで必要な書類を準備すれば、ひとりでも進められます。
この記事では、会社設立の全体の流れ、各ステップでやること、設立後に必要な届出、個人事業から移るときの手続きまでを、チェックリストとともに整理します。合同会社と株式会社の違いは別の記事で詳しく解説します。
会社設立の全体の流れ
会社設立は、大きく次の6つのステップで進みます。株式会社と合同会社で異なるのは、主に定款の認証の有無です。
- 会社の基本事項を決める
- 会社の印鑑を用意する
- 定款を作成する(株式会社は公証役場で認証を受ける)
- 資本金を払い込む
- 法務局に登記を申請する
- 税務署・自治体・年金事務所などに設立後の届出をする
法務局に登記を申請した日が、会社の設立日になります。設立日にしたい日がある場合は、その日に申請できるよう逆算して準備を進めましょう。法務局が開いていない日は申請できない点にも注意が必要です。
準備にかかる期間は、書類の準備の進み具合や、定款の認証の予約状況などによって変わります。個人事業から法人化する場合は、取引先への連絡や契約の切り替えにも時間がかかるため、次のような点を早めに確認しておくと安心です。
- 個人事業の決算の区切りと、会社の設立日をどう合わせるか
- 取引先の締め日・支払日に合わせて、請求を個人と法人のどちらで出すか
- 設立の準備に使える時間を、繁忙期を避けて確保できるか
ステップ1〜2:基本事項を決め、印鑑を用意する
定款や登記の書類に書く内容を、先に決めておきます。主な項目は次のとおりです。
| 項目 | 決めること | ポイント |
|---|---|---|
| 商号 | 会社の名前 | 「株式会社」「合同会社」の文字を入れる。同じ住所に同じ商号は登記できない |
| 事業目的 | 会社が行う事業の内容 | 今の事業に加え、将来行う可能性のある事業も入れておく |
| 本店所在地 | 会社の住所 | 自宅にするか、別の場所にするかを決める |
| 資本金 | 出資する金額 | 取引先からの見え方や消費税の扱いにも関わる |
| 事業年度 | 決算の時期 | 繁忙期を避けるなど、事務の負担も考えて決める |
| 役員 | 取締役や代表者 | 株式会社は任期も決める |
商号が決まったら、会社の実印(代表者印)を作ります。あわせて、銀行で使う印鑑や、請求書などに押す角印を用意する人も多いです。登記をオンラインで申請する場合は、印鑑の届出が任意になっています。手続きの方法によって扱いが異なるため、法務局の案内で確認してください。
ステップ3〜4:定款を作成し、資本金を払い込む
定款を作成する
定款は、会社の基本ルールを定めた書類です。商号、事業目的、本店所在地など、必ず記載しなければならない項目があります。紙で作ると収入印紙が必要ですが、PDFに電子署名をする「電子定款」にすると、収入印紙が不要になります。
株式会社は定款の認証を受ける
株式会社の場合は、作成した定款について、公証役場で公証人の認証を受けます。認証の際には、会社の実質的な支配者となる人についての申告なども求められます。必要な書類は事前に公証役場へ確認しておくとスムーズです。合同会社は定款の認証が不要なので、この手順はありません。
資本金を払い込む
会社の銀行口座はまだ作れないため、資本金は発起人(設立の手続きをする出資者)の個人口座に振り込みます。払い込みの記録が分かる通帳のコピーなどと、払い込みがあったことを証明する書類を合わせて、登記の申請に使います。払い込みの時期や方法については、法務局の案内で確認してください。
ステップ5:法務局に登記を申請する
書類がそろったら、本店所在地を管轄する法務局に登記を申請します。申請は、窓口・郵送・オンラインの方法があります。主な書類は次のとおりです(会社の形態や状況によって異なります)。
- 登記の申請書
- 定款(株式会社は認証を受けたもの)
- 資本金の払い込みを証明する書類
- 役員の就任承諾書、印鑑証明書など
- 印鑑届書(届け出る場合)
登記の申請には、登録免許税がかかります。定款の認証手数料などとあわせて、設立には実費がかかります。金額は会社の形態や資本金の額によって変わるため、法務局や公証役場などの公式情報で確認してください。
登記が完了すると、登記事項証明書(登記簿謄本)と会社の印鑑証明書を取得できるようになります。これらは、銀行口座の開設や各種の届出で使います。
定款や登記の書類は、設立書類の作成サービスを使うと、基本事項を入力するだけでまとめて作れます。電子定款に対応したサービスなら、収入印紙もかかりません。料金・条件は公式サイトで確認してください。
ステップ6:設立後の届出チェックリスト
会社ができたら、各窓口へ届出を行います。期限が短いものもあるため、登記の完了後すぐに取りかかりましょう。
| 提出先 | 主な届出 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 税務署 | 法人設立届出書 | 設立の日から2か月以内 |
| 税務署 | 青色申告の承認申請書 | 設立の日から3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日のうち早い日の前日まで |
| 税務署 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 開設の日から1か月以内 |
| 都道府県・市区町村 | 法人設立の届出 | 自治体によって異なる |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の新規適用届など | 事実の発生から5日以内 |
このほか、源泉所得税の納期の特例の承認申請書や、消費税に関する届出が必要になる場合もあります。どの届出が必要かは会社の状況によって変わるため、税務署や税理士に確認しましょう。あわせて、法人名義の銀行口座の開設も進めます。
個人事業から移るときにやること
個人事業から法人化する場合は、個人事業側の手続きも必要です。
- 税務署に個人事業の廃業の届出をする(廃業の日から1か月以内が目安)
- 青色申告や消費税の届出をしていた場合は、廃業にあわせて必要な届出を税務署に確認する
- 個人事業の最後の年の確定申告を行う
- 取引先に、契約の相手と振込先が法人に変わることを伝え、必要なら契約を結び直す
- 会計ソフトや各種サービスの契約を、法人名義に切り替える
- 国民健康保険と国民年金から、会社の健康保険と厚生年金に切り替える
インボイスの登録をしている場合、個人の登録番号は法人には引き継がれません。法人として改めて登録の手続きが必要になるため、取引先への連絡とあわせて準備しておきましょう。
まとめ
会社設立は、基本事項の決定、印鑑の用意、定款の作成と認証、資本金の払い込み、登記の申請、設立後の届出という順番で進みます。登記の申請日が設立日になり、設立後の届出には期限の短いものもあるため、全体のスケジュールを先に立てておくことが大切です。
次にやることは、次の3つです。
- 商号・事業目的・本店所在地・資本金・事業年度を決める
- 設立日を決め、定款の作成から登記の申請までのスケジュールを立てる
- 設立後の届出チェックリストを手元に用意し、提出先ごとの期限を確認する
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