請求書の書き方|インボイスの記載事項とフリーランスの基本項目
フリーランスの請求書に書く基本項目と、インボイス(適格請求書)として必要な6つの記載事項を解説します。免税事業者の請求書の注意点、源泉徴収がある場合の書き方、送付前のチェックリストもまとめます。
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初めて請求書を作るとき、「何を書けば正式な請求書になるのか」「インボイス制度に対応するには何が必要なのか」と迷っていませんか。取引先から請求書の形式を指定されることもあり、自己流で作ってよいのか不安になる人も多いはずです。
請求書には、法律で決まった書式はありません。ただし、インボイス(適格請求書)として発行する場合は、記載しなければならない事項が決まっています。基本の項目とインボイスの記載事項を押さえれば、どの取引先にも使えるひな形を作れます。
この記事では、請求書の基本項目、インボイスとして必要な記載事項、免税事業者の場合の注意点、源泉徴収がある場合の書き方、送付前のチェックリストを解説します。インボイス登録をするかどうかの判断は、別の記事で詳しく解説します。
請求書に書く基本の項目
インボイスかどうかに関係なく、請求書には次の項目を入れておくのが一般的です。
| 項目 | 書く内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 書類の名称 | 「請求書」 | 見積書や納品書と区別できるようにする |
| 請求書番号 | 自分で決めた通し番号 | 問い合わせや入金確認のときに照合しやすくなる |
| 発行日 | 請求書を発行した日 | 取引先の締め日に合わせることが多い |
| 宛名 | 取引先の会社名・部署名・担当者名 | 正式名称で書く(株式会社の位置などに注意) |
| 発行者 | 自分の氏名・屋号・住所・連絡先 | インボイスの場合は登録番号も記載する |
| 件名 | 何の仕事の請求か | 「〇〇サイト制作費(〇月分)」のように具体的に |
| 明細 | 取引の日付・内容・数量・単価・金額 | 見積書や発注書の項目と合わせる |
| 小計・消費税・合計 | 税抜きの合計、消費税額、請求金額 | 税率ごとに分けて書く |
| 振込先 | 金融機関名・支店名・口座種別・口座番号・名義 | 名義のカナ表記を正確に |
| 支払期限 | 入金してほしい日 | 契約や取引条件で決めた支払期日に合わせる |
このほか、振込手数料をどちらが負担するか、備考として取引先の発注番号などを書いておくと、相手の経理担当者が処理しやすくなります。
インボイス(適格請求書)の6つの記載事項
インボイス登録をしている適格請求書発行事業者は、取引先から求められたときにインボイスを交付する必要があります。インボイスには、次の6つの事項を記載します。
- 適格請求書発行事業者の氏名または名称と、登録番号
- 取引年月日
- 取引の内容(軽減税率の対象品目がある場合はその旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)と、適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
登録番号は、個人事業主の場合「T」で始まり、そのあとに13桁の数字が続く形式です。Web制作やライティングなど、フリーランスの多くの仕事は標準税率の10%だけが対象になるため、「10%対象」の合計額と消費税額を書けば、4と5の条件を満たせます。
消費税の端数処理のルール
インボイスでは、消費税額の1円未満の端数処理は、1枚の請求書につき税率ごとに1回と決まっています。明細の行ごとに消費税を計算して端数を処理し、それを合計する方法は認められていません。切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれにするかは、事業者が決められます。
例えば、明細が3行ある請求書なら、3行の税抜き金額を合計してから10%を掛け、1円未満の端数を1回だけ処理します。請求書作成サービスや会計ソフトを使うと、この計算は自動で行われます。
月まとめの請求書の場合
1か月分の取引をまとめて請求する場合、取引年月日は「〇月分」のように、取引の期間を書く形でも認められています。明細の中で、それぞれの作業日や納品日を書いておくと、より分かりやすくなります。
免税事業者の請求書で注意すること
インボイス登録をしていない免税事業者も、請求書は発行できます。基本の項目は、インボイスと同じように書いてかまいません。注意したいのは次の点です。
- 登録番号は書かない:登録していないのに登録番号のように見える番号を書くと、インボイスと誤認させる表示として問題になります。
- インボイスと誤認される書き方をしない:「適格請求書」という名称を使ったり、登録事業者であるかのような表示をしたりしないようにします。
- 消費税の扱いを取引先と確認する:報酬の額に消費税相当額を含めるかどうかなど、取引条件として事前に取引先と確認しておくとトラブルを防げます。
源泉徴収がある場合の書き方
個人のフリーランスが受け取る報酬のうち、原稿料、デザイン料、講演料など一定の報酬は、支払う側が所得税を源泉徴収(あらかじめ差し引いて納付)することになっています。税率は、1回の支払金額が100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%です。
源泉徴収がある取引では、請求書を次のように書くのが一般的です。
- 報酬の額(税抜き)と消費税額を分けて書く
- 源泉徴収税額を記載し、報酬と消費税の合計から差し引く
- 差し引いた後の金額を「お振込金額」などとして書く
報酬の額と消費税額が明確に区分されている場合、源泉徴収税額は報酬の額(税抜き)をもとに計算してよいとされています。ただし、自分の仕事が源泉徴収の対象になるかどうかは報酬の内容によって異なり、判断は支払う側が行います。取引先の経理担当者に確認し、迷う場合は税務署に確認してください。
請求書の作り方と、送付前のチェックリスト
請求書は、表計算ソフトのテンプレートでも作れますが、請求書作成サービスを使うと、登録番号や振込先を一度登録すればひな形として使い回せます。消費税の計算や端数処理も自動で行えるため、記載漏れや計算ミスを防ぎやすくなります。
例えばMisocaは、見積書・納品書・請求書をテンプレートで作成でき、インボイス制度の記載事項に対応しています。弥生の会計ソフトと連携できるのも特徴です。料金・条件は公式サイトで確認してください。
送付する前に、次の項目を確認しましょう。
- 宛名の会社名・担当者名は正式名称になっているか
- 請求書番号と発行日は正しいか
- 明細が見積書・発注書の内容と一致しているか
- 税率ごとの合計額と消費税額が書かれているか(インボイスの場合)
- 登録番号は正しいか(インボイスの場合)。登録していない場合は書いていないか
- 源泉徴収がある場合、差し引いた金額が正しいか
- 振込先の口座情報と名義に誤りがないか
- 支払期限が、取り決めた支払期日と合っているか
まとめ
請求書には決まった書式はありませんが、インボイスとして発行する場合は、登録番号や税率ごとの消費税額など6つの記載事項が必要です。免税事業者の場合は、登録番号を書かず、インボイスと誤認される表示をしないことが大切です。
次にやることは、次の3つです。
- この記事の基本項目の表をもとに、自分の請求書のひな形を作る
- インボイス登録をしている場合は、6つの記載事項と端数処理のルールに沿っているか確認する
- 源泉徴収や消費税の扱いを取引先と確認し、送付前のチェックリストで見直してから送る
※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。