開業・独立更新 2026.10.27読了 7分

青色申告承認申請書の書き方と提出期限|記入例と出し忘れたときの対応

青色申告承認申請書の項目ごとの書き方と、新規開業・白色からの切り替えそれぞれの提出期限を解説します。簿記方式や備付帳簿の選び方、出し忘れたときの考え方、作成サービスの使い方もまとめます。

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青色申告にしたいと思っても、「所得税の青色申告承認申請書」という書類名を見ると身構えてしまいませんか。簿記方式や備付帳簿など、聞き慣れない言葉が並んでいて、どれに丸をつければいいのか迷う人は多いはずです。

申請書は1枚で、書く内容もそれほど多くありません。大切なのは提出期限を守ることと、65万円控除を目指すなら簿記方式の選び方を間違えないことです。

この記事では、申請書の提出期限、項目ごとの書き方、簿記方式と備付帳簿の選び方、提出方法、出し忘れたときの考え方を解説します。青色申告特別控除の条件そのものは、別の記事で詳しく解説します。

青色申告承認申請書とは

青色申告承認申請書は、「この年分から青色申告で確定申告をしたい」と税務署に申請するための書類です。正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」で、提出先は納税地(通常は住所地)を管轄する税務署です。

青色申告をすると、帳簿をつける手間が増える代わりに、条件に応じて最大65万円の青色申告特別控除を受けられるなどの特典があります。ただし、青色申告は申請して承認を受けた人だけができる仕組みです。開業届を出しただけでは青色申告にはならない点に注意しましょう。

提出後、税務署から承認の通知が届かないこともあります。一般に、申請した年の12月31日までに却下の通知がなければ、承認されたものとみなされます。年の終盤に開業した場合などは扱いが異なることがあるため、該当する場合は国税庁の情報で確認してください。

提出期限は「いつから青色にするか」で決まる

提出期限は、状況によって次のように異なります。

状況 提出期限
1月16日以後に新しく事業を始めた 事業を始めた日から2か月以内
1月1日〜1月15日に新しく事業を始めた その年の3月15日まで
すでに事業をしていて、白色申告から切り替える 青色申告にしたい年の3月15日まで

例えば6月1日に開業した場合は、2か月後の8月初めごろが期限の目安です。具体的な期限日は税務署で確認し、余裕をもって7月中に出しておくと安心です。2026年に開業してこの期限に間に合えば、2026年分(2027年に行う確定申告)から青色申告ができます。

すでに白色申告をしている人が2027年分から青色申告にしたい場合は、2027年の3月15日までに提出します。2026年分の確定申告の時期と重なるので、申告書と一緒に準備しておくと忘れにくくなります。

青色申告承認申請書の書き方

様式は改定されることがあるため、提出時は国税庁の最新の様式を使ってください。主な項目と書き方の目安は次のとおりです。

項目 書く内容 ポイント
提出先・提出日 管轄の税務署名と提出日 開業届と同じ税務署
納税地 住所地または事業所の所在地 開業届と同じ内容にそろえる
氏名・生年月日・職業・屋号 本人の情報と事業の名前 屋号がなければ空欄でよい
青色申告にしたい年分 「令和〇年分以後」の年 2026年分からなら「令和8年分」
事業所の名称と所在地 事業を行う場所 自宅で仕事をしているなら自宅の住所
所得の種類 事業所得・不動産所得・山林所得から選ぶ フリーランスの仕事は通常「事業所得」
取消し・取りやめの有無 過去に青色申告の承認取消しや取りやめをしたか 初めてなら「無」
業務を開始した年月日 その年の1月16日以後に開業した場合の開業日 開業届の開業日と同じにする
相続による事業承継の有無 親などの事業を相続で引き継いだか 新しく始めた場合は「無」
簿記方式 複式簿記・簡易簿記・その他から選ぶ 65万円控除を目指すなら複式簿記
備付帳簿名 つける予定の帳簿に丸をつける 次の章を参照
関与税理士 依頼している税理士がいれば記入 いなければ空欄でよい

簿記方式の選び方

簿記方式は、帳簿のつけ方のことです。

  • 複式簿記:1つの取引を「何が増えて、何が減ったか」の2つの面から記録する方法です。55万円・65万円の青色申告特別控除を受けるための条件の1つになっています。
  • 簡易簿記:家計簿に近い形で、収入と支出を記録する方法です。青色申告特別控除は10万円になります。

会計ソフトを使えば、取引を入力するだけで複式簿記の帳簿が作られます。会計ソフトを使う予定なら、複式簿記を選んでおくのが一般的です。

備付帳簿名の選び方

備付帳簿(そなえつけちょうぼ)は、日々つけていく帳簿の種類です。複式簿記で会計ソフトを使う場合は、例えば次のような帳簿に丸をつけるのが目安です。

  • 現金出納帳、預金出納帳
  • 売掛帳、買掛帳、経費帳
  • 固定資産台帳
  • 仕訳帳、総勘定元帳

仕訳帳と総勘定元帳は、複式簿記の基本になる帳簿です。どの帳簿に丸をつけるか迷ったら、使う予定の会計ソフトで作成できる帳簿を確認するか、税務署に確認してください。

提出方法と、作成サービスの使い方

提出方法は開業届と同じで、e-Tax(オンライン)、郵送、税務署の窓口の3つがあります。マイナンバーカードがあれば、e-Taxで自宅から提出できます。

手書きでも作れますが、作成サービスを使うと、質問に答えるだけで開業届と青色申告承認申請書をまとめて作れます。簿記方式や備付帳簿の欄も案内に沿って選べるので、記入の迷いが減ります。

  • freee開業:質問に答える形で開業届を作成でき、青色申告承認申請書もまとめて作れます。電子申告や郵送など提出方法の案内もあります。
  • マネーフォワード クラウド開業届:画面の案内に沿って開業届を作成でき、青色申告承認申請書などの関連書類にも対応しています。開業後はそのまま会計ソフトに移れます。

開業後に使う会計ソフトと同じシリーズを選ぶと、情報を引き継ぎやすくなります。条件は公式サイトで確認してください。

PR開業届の作成サービスfreee開業開業届の作成サービスマネーフォワード クラウド開業届
特徴
  • 質問に答えるだけで開業届の書類を作成
  • 青色申告承認申請書もまとめて作れる
  • 電子申告や郵送など提出方法も案内
  • 画面の案内に沿って開業届を作成
  • 青色申告承認申請書などの関連書類にも対応
  • 開業後はそのまま会計ソフトに移れる
こんな人に開業届を手早く、書き間違いなく作りたい人開業後の会計ソフトもマネーフォワードを使う予定の人
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※ 2026年時点の一般的な情報です。料金・機能・キャンペーンは各社の公式サイトでご確認ください。

提出前のチェックリスト

  • 青色申告にしたい年分(令和〇年分)が正しいか
  • 納税地・開業日が開業届と同じになっているか
  • 所得の種類が「事業所得」になっているか
  • 65万円控除を目指す場合、簿記方式が「複式簿記」になっているか
  • 備付帳簿に仕訳帳と総勘定元帳が含まれているか
  • 提出期限に間に合う日付で出せるか

出し忘れた・期限を過ぎたときは

期限を過ぎてしまった場合、その年分を青色申告にすることはできません。その年は白色申告で確定申告をし、翌年分から青色申告にするために、翌年の3月15日までに申請書を出します。

白色申告でも、帳簿づけと書類の保存は必要です。青色申告に切り替える年に備えて、会計ソフトで複式簿記の帳簿をつけ始めておくと、切り替えがスムーズになります。

次のような場合も、自己判断せず税務署に確認しておきましょう。

  • 提出したかどうか記録が残っておらず、分からない
  • 年の途中で開業日を変えたい、または開業日の記載を間違えた
  • 過去に青色申告をやめたことがあり、再び青色申告にしたい

まとめ

青色申告承認申請書は、新しく開業した場合は開業日から2か月以内(1月1日〜15日の開業はその年の3月15日まで)、白色申告から切り替える場合は青色申告にしたい年の3月15日までに提出します。65万円控除を目指すなら、簿記方式は複式簿記を選びます。

次にやることは、次の3つです。

  1. 開業日から自分の提出期限を確認し、カレンダーに入れる
  2. 作成サービスか国税庁の様式で申請書を作り、簿記方式と備付帳簿を選ぶ
  3. 開業届と同時にe-Taxなどで提出し、提出した記録を保存する

※ 記事の内容は公開・更新時点の一般的な情報です。税金・制度の個別の判断は、税理士や税務署にご確認ください。サービスの料金・条件は各社の公式サイトでご確認ください。